2022年12月23日より公開となりました原恵一監督の新作アニメ映画「かがみの孤城」ですが劇場公開初日に見てきました。
筆者は原作を読んでから見に行った組でありますが、ここでは原作と映画での違いについてまとめてみましたのでご覧ください。
盛大にネタバレが含まれておりますので映画を未視聴の方はご注意ください。
【こちらが原作になります】
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違いについて
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違いにおいて一番大きな点が、やはり膨大な内容である小説を2時間程度(116分)にまとめられている点ではないでしょうか。
(※文庫本上巻411ページ 下巻365ページ)
ですから、基本的には登場人物の内面を描いていたシーンはほとんどカットされております。
ですので、あのシーンがないという点で見ていくときりがないので大きく原作と映画で違っていた点をまとめてみましたのでご覧ください。
ではそれぞれについて詳しく説明していこうと思います。
最初に「かがみの孤城」にこころが来た時に逃げ出すことに失敗
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ1点目。
まず最初に映画を見て思ったのが、こころが最初に「かがみの孤城」に来た時に逃げることに失敗した点でした。
原作では逃げようとするこころをオオカミ様が捕まえようとするもののこころは逃げることに成功します。
これは前述しました、膨大な原作を時間の制約がある中での措置のひとつであると思われます。
原作を未読の方でしたら特に違和感はないものと思いますが、原作を読んでいた方でしたら冒頭でいきなり原作と違う!と思った方もいらっしゃるかもしれません。
それだけに印象に残った部分でもありました。
城の位置についての描写がある
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ2点目。
それはお城の位置描写について描かれていたことでした。
原作ではお城がどこにあるのかは描かれてはおりませんでしたが、アニメ映画では海のど真ん中の岩山の頂上にお城があるという風に描かれておりました。
お城の屋上から周りの海を眺めるシーンなどもあり、これはより具体的に城という存在を意識できるようになり、映像化の利点だなと感じました。
ちなみにこのお城のある場所についてはモデルもあるようでして、こちらの記事で詳しくまとめておりますのでご参考下さい。
城に電気が通っていない
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ3点目。
それはお城に電気が通っていないという点でありました。
しかしこれは、部屋の電気などは点灯している電器が通っていないというよりは正確には電源を取るコードがないと言ったほうがいいでしょうか。
そのようになったためマサムネがテレビを持ち込んでゲームの間でテレビゲームをやる描写がなくなっておりました。
ゲームの間では全員が集まって、将棋をしたり、人生ゲームのようなボードゲームをやっている描写が見られました。
この変更はテレビゲームでは基本二人でしかプレイできないところをみんなでゲームを楽しんでいるという描写となっておりました。
ゲームの間という存在がより全員が集まる社交場という形で描かれており原作未読の方にはより自然な形となったのかなとも感じております。
原作ではマサムネがブラウン管テレビを運び込んでいたりして大変そうでしたからマサムネにとってはよかったのでしょうかね‥。
しかし、恐らくは原作にあったPSの2か3か4などの時代設定の推測フラグのシーンをカットするための措置でもあるのかなとも感じました。
マサムネの持っていた携帯ゲーム機が違う
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ4点目。
マサムネの持っていた携帯ゲーム機の種類が違うという点であります。
原作ではDS(3DS)という描写が描かれておりましたが、映画ではPSのPSPかVitaのような機種をマサムネは持ってきていました。
これはでも、もしかしたら原作では一応DSという描写がありましたが、ゲーム好きなマサムネならDS以外にもPSPなども持ってきていた可能性はありますよね。
ただ、明らかにDSとPSPでは形態が違うので映像で見た時にあれ?となりました。
本当に細かい点ではあるのですがね‥。
【PSP】
【DS】
このようにゲームの間でのゲーム機については大きく変わっておりましたが、ちょっと残念だったのはゲーム大好きなこころちゃんのゲームやってる姿を見てみたかったなと思う点でしょうかね‥。
また、ゲームの間では他にも大きく違っている点がありまして次はそのことについてご紹介致します。
ゲームの間にクラシックなオルゴールがある
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ5点目。
それはゲームの間に原作にはなかった大型の手動のクラシックなオルゴールが置かれていたことであります。
入っている曲名は「トロイメライ」であります。
何故ここに原作にはないオルゴールが置かれていたのか。
恐らくはリオンとオオカミ様(ミオ)との関係性をより深く表現するためのアイテムであったのだと僕は考えます。
原恵一監督の一番表現したかった部分なのではないでしょうか。
最初に動かし方を知ったのはリオンでした。
そして曲名を聞いたときに恐らくは昔のことに気づきそこからオオカミ様が自分の姉であるのではと気づいたのではないのかと僕は考えます。
原作にはなかったこの装置とラストシーンでのオルゴールをお城のミニチュアに置くシーンがつながったときの意味を理解した時には思わず涙が流れてしまいましたね。
オルゴールに関してはこちらの記事でもまとめておりますのでご参考下さい。
大時計の位置が違う
「かがみの孤城」の原作とアニメ映画との違っていたところ6点目。
それは大時計の位置が違うという点でありました。
原作では大時計に関する描写はこのように書かれていました。
階段の上には、部屋ではなく、ただ大時計が置かれた張り出し廊下がある。
文庫本原作56ページより
普通の二階建ての建物と違ってこの大時計は時計のところに行くためだけにあるようである。
つまり普通に大時計にはもとからある階段を使っていけたのであります。
しかし、映画では大時計に向かうところで光の階段が現れて、それが崩れ落ちるまえに大時計に向かうというシーンになっております。
つまり映画では大時計は普通に行けない高い位置にあったということを表しております。
では、何故このような変更となったのか、正直に言いますがわかりませんでした。
確かに美しい映像で階段が現れるシーンは一瞬「おお!」となりましたが「このシーンいるかな?」と思ったことも事実です。
ただでさえ時間に制約があるのですから、より登場人物の過去回想シーンに時間を割いても良かったのかなとも思っております。
しかし、もしかしたら僕の知識不足で童話でこのように階段を上っていくシーンのある物語のオマージュであるとかそういうことなのかもしれません。
もし何かわかりましたら追記しようと思います。
【かがみの孤城】アニメ映画と原作との違いについてまとめ
ここまでアニメ映画「かがみの孤城」を見た上で原作と映画の違いについて僕が気づいたものご紹介してきました。
まとめますとこのようになります。
時間制約のある映画ですから膨大な原作すべてを表現することは難しかったと思います。
ですからカットされて原作と違うという点については記載しておりません。
明らかに原作と違うなと僕が感じた点についてまとめてみました。
ただ、一回見ただけであるので見落としている点もあるかと思いますので、もう一度原作を読んだうえで劇場に足を運び確かめてみたいなとも思っております。
何回でも見たくなる映画ですよね、映像化されたこころちゃんが可愛いすぎますわ‥。
他にも僕が疑問に思った点や調べた記事については下記に添付いたしますので気になるものがありましたらご参考下さい。
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
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