BreakingDownの海外対抗戦は、毎回注目を集める格闘技イベントの一つですが、最近の大会では日本人選手の圧倒的な強さが際立ち、外国人選手に対して「弱すぎる」との声が挙がることも。
果たして、本当に外国人選手たちは弱かったのでしょうか?
本記事では、最新大会「BreakingDown14」の結果を振り返りつつ、過去の海外対抗戦の傾向や結果を徹底的にまとめました。
この記事を読めば、ブレイキングダウンの海外対抗戦の流れと、各選手たちの実力が一目で分かります!
ブレイキングダウン14の海外対抗戦の結果について
BreakingDown14では、フェザー級ワンデートーナメントを中心に、注目の海外対抗戦が開催されました。
元UFC選手を含む海外勢と、無敗記録を誇る国内選手たちの対戦カードが発表され、大会前から多くの話題を集めていました。
しかし、試合直前に入国不可のトラブルが発生し、一部の海外選手が試合に出場できないという事態に。
それでも来日した選手たちは、いずれも輝かしい実績を持つ強豪ぞろいでした。
そして試合の結果、今回は日本人選手の圧倒的な強さが際立つ形となったのです。
以下が主要な結果です。
特殊な「1分間ルール」による適応の難しさや、日本人選手たちの進化した技術力が勝敗を分けました。
ブレイキングダウン特有の短時間決着のルールに慣れている日本人選手たちが、試合の主導権を握る展開が多く見られたのです。
それでは、どのような要因があったのかを見ていきましょう。
ブレイキングダウン14の海外対抗戦の外人選手たちが弱すぎる?
海外対抗戦は、世界的なキャリアを持つ選手たちがそろっていたにもかかわらず、日本人選手に敗北を喫したのは、その背景にいくつかの要因があると考えられます。
その一つが、試合前に発生した体重測定を巡るトラブルです。
計量時、外国人選手たちは日本人選手の計量クリアに疑念を抱き、戻し体重(リカバリー体重)の制限を要望しました。
これにより、最終的に71.5kgまでの上限が設定され、試合当日に再計量が行われることになったのです。
このルール変更は、日本人選手にとっても試合直前までの大きな負担となりました。
さらに、タイソン・ナムさんとキャメロン・エルスさんはトーナメント組み合わせの変更を要求。
「2回戦で(海外勢同士で)当たりたくない、決勝で戦いたい」との要望を巡り、長時間の議論が続きました。
1時間半ほど揉めて、ようやく会見の前に収まったそうですが、これらのトラブルは、選手たちに精神的な負担を与え、試合前から落ち着かない様子を見せる一因となりました。
しかし、井原良太郎さんは外国人選手に対し「譲歩しても一方的な要求が続き、試合前からストレスが大きかった」と語っており、決して外国人選手だけの負担ではなかったこともうかがえます。
また、試合後の外国人選手のコメントも見逃せません。
ブレイキングダウン14の海外対抗戦の外人選手たちが弱すぎる? ①タイソン・ナム
タイソン・ナムさんは元UFCファイターで、総合格闘技23勝(15KO)という輝かしいキャリアを持つ選手です。
2023年にはUFCを離れるものの、2024年の3月と7月に連続初回TKO勝ちを収めるなど、未だ健在な強打を誇っています。
特に右フックの強さは彼の代名詞であり、過去には世界のトップファイターとも渡り合ってきました。
試合前、タイソン・ナムさんは心理的なプレッシャーを抱えている様子が見られ、前日記者会見では、対戦相手の井原良太郎さんとの舌戦が展開され、怒りをあらわにしました。
「今までたくさんひどい扱いを受けた。
そのイライラをこの大会にぶつけようと思う。
相手をボコボコにする」
ひどい扱いの詳細は明らかではありませんが、体重制限に関する不満も口にしており、試合前から冷静さを欠いていた可能性があります。
そして、いざ始まった試合内容は井原良太郎さんの鮮やかなカウンターKOでした。
試合が始まると、タイソン・ナムさんはジャブと右フックを出しながら積極的に攻め、プレッシャーをかけ続けました。
序盤は優勢に試合を進めていましたが、右フックを放った瞬間に井原良太郎さんの右フックのカウンターがクリーンヒット。
タイソン・ナムさんは尻もちをつく形でダウンを奪われ、レフェリーストップ。
1回戦敗退となりました。
試合後のインタビューでナムは、「綺麗なパンチを何度か決めたが、最後の一発で負けてしまった」と振り返り、井原良太郎さんの技術の高さを認めていました。
ブレイキングダウン14の海外対抗戦の外人選手たちが弱すぎる? ②キャメロン・エルス
柔術黒帯を持つキャメロン・エルスさんは、11勝(5KO、5サブミッション)という輝かしい戦績を残しており、短時間で試合を決めるスピード感あるファイトスタイルが特徴です。
キャメロン・エルスさんは今回の外国人選手の中でも特に危険人物として注目されていました。
朝倉兄弟も警戒するほどで、オーディションではひな壇メンバーも思わず圧倒される場面が見られるほどでした。
しかし、試合ではNAOさんの鋭い攻撃の前に敗北、圧倒的な結果となりました。
試合は開始直後からNAOさんのペースで進行。
ジャブや前蹴りで距離を取りつつ、三日月蹴りで攻勢に出たNAOさんに対し、キャメロン・エルスさんは頭を低く下げて左右フックで反撃を試みました。
しかし、ケージ際に追い詰められるとNAOさんの右膝がボディに突き刺さり、キャメロン・エルスさんはダウン。
立ち上がったものの、再び左フックと膝蹴りを受け、ケージを背負った状態で再度ダウン。
レフェリーストップが入り、NAOさんの完勝となりました。
この結果に対し、試合後のSNS投稿やインタビューから、キャメロン・エルスさんが本来の力を発揮できなかった背景にはいくつかの要因があったことが明らかになっています。
キャメロン・エルスさんによると、日本到着後、ビザの問題で一度韓国に渡り、再び日本に戻るという複雑な移動スケジュールの影響で、試合前にはわずか2時間しか眠れなかったとのこと。
さらに、前日の記者会見後には深夜2時頃に寝床を探している投稿があり、十分な休息を取れなかった可能性が高いです。
また、前述の記者会見騒動では、体重制限やブレイキングダウン側の対応に対する不満を露わにし、他の選手の発言にも過剰に反応するなど、試合前から精神的なプレッシャーが多く見られました。
そして試合運びについて、試合後のインタビューで、キャメロン・エルスさんは「膝蹴りで倒れたのではなく、リングが滑りやすかったために転んでしまった」とコメント。
環境への適応が難しかったことも要因の一つと考えられます。
タイソン・ナムさんもキャメロン・エルスさんもそれぞれの競技で実績を持ち、十分な実力者であることがわかります。
大会で力を発揮できなかった背景には、慣れない土地や特殊な試合ルールに適応する難しさがあったと考えられます。
これらの要因が、コンディションを整えることを困難にし、結果に影響を与えたと考えられます。
ブレイキングダウン14の海外対抗戦の外人選手たちが弱すぎる? ③ブレイキングダウン選手たちの進化
ブレイキングダウンの海外対抗戦で日本人選手たちが圧勝を収めた背景には、彼らが精鋭ぞろいであったことはもちろん、格闘レベルが大きく上がっていたことが影響しています。
その中でも特に注目すべきは、初代バンタム級王者の井原良太郎さんと、初代ライト級王者のNAOさんの圧倒的な強さです。
井原良太郎さんは、「路上に咲く天才喧嘩坊や」の異名を持ち、ブレイキングダウンでの7戦全勝という圧巻の成績を誇ります。
2024年のブレイキングダウン11では、準決勝で強豪の西島恭平さんに延長の末判定勝ちを収め、決勝では鋭い左フックで見事なKO勝ちを達成しました。
さらに今回のタイソン・ナムさんとの試合でも、相手の右ストレートに的確な右フックのカウンターを合わるなど、その卓越した判断力と精密な打撃が、井原良太郎さんの最大の武器といえます。
一方のNAOさんは、プロダンサーから格闘家に転身してわずか1年半で初代ライト級王座を獲得した異例のキャリアを持つ選手です。
2024年のブレイキングダウン12では、キックボクシング24戦20勝のミスター・ホンデさんを破るなど、判定勝ちで実力を証明しました。
また、ブレイキングダウン13では、KOモンスターたつさんとの激戦を制し、決勝では元プロボクサーの山本隆寛さんに延長戦で勝利。
鋭いパンチと冷静な対応力で勝利を掴む姿は、NAOさんの成長を象徴しています。
ブレイキングダウン特有の「1分間ルール」は、瞬間的な判断力や効率的な戦術が求められる特殊な形式です。
通常の総合格闘技ルールに慣れている海外選手たちは、この特殊なルールへの適応に苦労した様子が見受けられます。
一方、井原良太郎さんやNAOさんをはじめとする日本人選手たちは、このルールに最適化されたトレーニングを重ね、短時間で勝負を決める術を習得してきました。
この日本人選手たちの進化が、今回の海外対抗戦の勝敗を分け、ブレイキングダウンをさらなる高みへと導いていることは間違いありません。
ブレイキングダウン過去大会での海外対抗戦の結果について
ブレイキングダウンではこれまで、海外選手を招いた対抗戦が大会の目玉企画として注目を集めてきました。
日本人選手たちが実力を証明する場としても、国内外のファンから熱い視線を浴びています。
それではこれまでの海外対抗戦での戦績についても振り返ってみましょう。
ブレイキングダウン過去大会での海外対抗戦の結果について ①ブレイキングダウン8
2023年5月21日、東京ドームシティ内のプリズムホールで開催された「ブレイキングダウン8」は、シリーズ初となる国際戦「日韓対抗戦」を実施しました。
この大会は、韓国ルーツの格闘家・秋山成勲さんが率いる韓国勢11人が日本勢と対戦する形で組まれ、全30試合中12試合が日韓戦として行われました。
この国際戦は、格闘技イベントとしての新たな挑戦を模索していたブレイキングダウンが、より多くの注目を集めるために打ち出した目玉企画です。
対戦カード発表後から「どちらが強いのか?」という熱い議論が巻き起こり、試合前の記者会見では選手同士の舌戦や乱闘が繰り広げられるなど、試合前から大きな話題を呼びました。
日韓対抗戦の結果は、韓国勢が7勝、日本勢が5勝と韓国が勝ち越す形に。
日本勢も粘り強い戦いを見せ、注目のメインイベントとなった大将戦では、ブレイキングダウンのエース・飯田将成さんが元HEATライト級王者のパク・ウォンシクさんと対戦。
2度の延長戦に突入する接戦の末、飯田さんが3-2で判定勝ちを収め、会場を大いに沸かせました。
この日韓対抗戦は、ブレイキングダウンが国内イベントから国際的な注目を集める場へと進化する大きな一歩となったのです。
ブレイキングダウン過去大会での海外対抗戦の結果について ②ブレイキングダウン9
ブレイキングダウン9では、新たな試みとして日韓連合とヨーロッパ連合による対抗戦が行われました。
前回大会での日韓対抗戦の成功を受け、今回はさらにスケールアップした形で、日韓の選手たちが力を合わせ、ヨーロッパの強豪選手たちと対戦する注目のイベントとなりました。
ヨーロッパ連合として参戦したのは、K-1のレジェンドであるジェロム・レ・バンナさんやボブ・サップさんなど、世界的に名の知れた選手たちです。
特に、ジェロム・レ・バンナさんは大会のメインイベントでキム・ジェフンさんと対戦し、圧倒的なKO勝利を収めました。
この一戦は、観客を大いに盛り上げ、ヨーロッパ連合の強さを印象付けるものとなりました。
激戦の末、日韓連合は5勝4敗でヨーロッパ連合を下し、見事に勝ち越しを果たしました。
ブレイキングダウン9の日韓連合vs.ヨーロッパ連合の対抗戦は、各国のトップファイターたちが激突する白熱した戦いとなり、ファンにとっても大満足の内容でした。
ブレイキングダウン過去大会での海外対抗戦の結果について ③ブレイキングダウン13
ブレイキングダウン13では、日米対抗戦がメインイベントとして開催され、日本とアメリカの代表選手たちが火花を散らしました。
特に注目されたのは、アメリカから参戦した選手たちがいずれも格闘技界で名を馳せた実力者揃いだったことです。
一方、日本チームも国内外で実績を重ねてきた選手たちが集結し、「国の誇りを懸けた戦い」として大きな注目を集めました。
試合は全5試合が行われ、日本チームが4勝1敗という素晴らしい成績を収めました。
特筆すべきは、井原良太郎さんが延長判定でメミーゴンザレスさんを圧倒した一戦。
バンタム級王者としての威厳を見せつけ、日米対抗戦のスタートを日本に有利な形で切り開きました。
また、川島悠汰さんがナチョさんとの激戦を制し、判定勝ちを収めるなど、全試合で日本選手たちの戦略的な戦いぶりが際立ちました。
一方、最もインパクトのある試合として挙げられるのが、SATORUさんとナサンマーティンさんの一戦です。
SATORUさんは開始わずか20秒でTKO勝ちを収め、日米対抗戦における日本の優位性を決定づけました。
また、最終試合でサイコさんがポーランドの刺客を相手に見せたKO勝ちは、観客に圧倒的な衝撃を与え、会場を大いに沸かせました。
この日米対抗戦は、単なる格闘技のイベントにとどまらず、国際的な交流と競争の場としての新たな可能性を示しました。
ブレイキングダウン海外対抗戦についてまとめ
これまでブレイキングダウンの海外対抗戦の戦績について紹介してきました。
直近のブレイキングダウン13や14では、日本人選手たちの圧倒的な勝利数が目立つため、出場する海外選手たちの前評判と試合結果の乖離に疑問を抱くファンもいるかもしれません。
しかし、通算成績を振り返ると、日本がなんとか勝ち越している状況にあります。
以下にこれまでの海外対抗戦の結果を一覧にまとめましたので、ぜひご覧ください。
外国人選手たちの実績を見れば、彼らが決して弱いわけではないことが分かります。
しかし、ブレイキングダウン特有の試合形式や戦術に適応することが、彼らにとって大きな課題となっているようです。
これからのブレイキングダウンでは、海外選手たちがどのようにこの課題を克服し、日本人選手たちと互角以上の熱戦を繰り広げてくれるのか期待が高まります。
次回の試合がどんなドラマを生むのか、今から楽しみですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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